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2008-07-19 00:04 | カテゴリ:矢口敦子
償い'01年8月刊
 「人の心を殺しても罰せられないのですか?」のキャッチコピーなんだけど、使われるのは容疑者として逮捕された妻のセリフ。でもそれは主人公日高が自分が行った行動に対する結果を実感させるために設定されたセリフなんだろうな。
 自分の言動で家族を失った元脳外科医がホームレスとなり、弱者ばかり狙われる連続殺人事件の真実を追う。かつて自分が救った少年が事件にどう関わっているのか。
 人物が絡み合ってうまくまとまってる。こんなに絡ませなくてもって気もするけど。ミスディレクションも多いけど読者に対してと言うより日高を走らすためなんだろうな。ラストはまぁまぁ救われる。
 それにしても舞台となる地名がなぁ。県が違うし仮想なんだけどあまりに有名だからどうなんだろ。

(あらすじ)
1.火災の第一発見者
 埼玉県光市の住宅街で「伊達ちゃん」と呼ばれホームレスをしている日高は、火災現場に遭遇し通報するが被疑者として取調べを受ける。現場から父親と母親と次男が死体で発見され、その後日高の容疑は晴れるが取調べをした山岸刑事から現場を確認させられる。そこで長男の川路竜郎と出会う。
2.必然の中の偶然
 日高は入り浸っていた図書館で高校受験を控えた中学生から声を掛けられる。一通り話した後少年の名を聞くと草薙真人と名乗る。彼は、日高が12年前にデートの最中に性的虐待者に襲われているのを助けた子供だった。
 日高は元脳外科医だった。日曜の勤務中に一人息子の大輔が熱をだしたと妻の広恵から電話があったが日高はいらだちながら病院を探して連れて行けと言い放つ。開いている小児科を3時間も探しているうちに脳症を併発して大輔が亡くなり、その後妻も自殺すると言う過去を持っていた。
3.泣き声が聞こえる
 日高が過去を思い出し街をブラついているとホームレス仲間のクラさんから、「ホームレス撲滅委員会」という子供たちが段ボールに花火を投げ込みウメさんが火傷で危篤になったと聞く。その後山岸刑事にも会い昨夜野瀬富士子という40歳の足の不自由な女性が自宅前で車椅子に乗ったまま死体で発見されたことを聞く。向かいの主人がその30分前に見かけ声を掛けたが返事がなく、自転車に乗った者が立ち去るのを見たと証言していた。夏にも80歳近い関口老人が殺された事件があることを聞く。山岸からねぐらを移して情報を流してくれと依頼される。新聞記事を見るため図書館へ行った日高は真人と会い話をする。防寒着を持っていないと聞いた真人は父親のジャンパーを日高に渡す。
(続く)
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【ジャンル】:小説・文学 【テーマ】:ミステリ
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