
'04年12月刊
愛する人の死期が迫っていることを知り自分の命と交換できるとしたら何を選択するか。自分の命の意味とは何か。生きることの意味を考えさせられる作品。この人の作品にしては性愛を取り上げてはいないな。
生きることに執着があればぎりぎりのところで色んな考えが回るんだろうな。
(あらすじ)
「おむすびころりん」
同じ会社の布川恭助を好きになった佐野原多美はその後恭助が相馬絵理と恋愛していることを知る。絵理がきれいになったのを見て、多美はダイエットを始め塩むすびひとつを持って会社に行くようになる。多美は「絵理が死ぬ」という想像が頭に漂っている自分に気付く。そんな時総務部の島野と知り合う。
多美は島野に絵理が死ぬことを想像していることを打ち明ける。島野は多美に死を察知する能力があるのではと言った上で、自分は死神だと言い、死ぬのは絵理ではなく恭助が三日後に死ぬことを告げる。恭助の健康診断の結果を見た多美はそれを知った上で死ぬと言ったのだろうと島野に問い詰める。島野は、多美が周りの人の寿命に影響を与えていることを告げ恭助から遠ざかるか自分の寿命と交換するという二つの選択肢を与える。
多美は交換を選び、秩父の実家へ帰り幼い頃の日々を思い出す。多美を見かけた幼なじみ時枝が訪れる。時枝は当時多美を幸運の女神として思っていたことを告白する。
突然絵理が多美の実家を訪れる。恭助が昨夜ドライブに出かけたまま帰って来ず、島野から多美が恭助の居場所を知っているはずと聞き多美を探し訪ねてきたと言う。多美は島野に電話し問い詰めると、恭助は崖から転落し明日の1時までの命であることを告げる。自分の命との交換を告げようとするがここまでの自分の命は自分だけのものではないと気付き言葉に詰まる。
(ネタバレ)
その電話を取り上げた時枝は自分の幸運と恭助の命の交換を申し出る。多美も時枝もいままで何かに頼って生きてきたがこれからは自分の力で生きることを誓う。
島野は多美が自分で気付かないでダイエットと言う名の自殺に走っており、後3日の命だった事を告げる。恭助は事故から助かったが3ヵ月後に癌でこの世を去る。
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