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2006-12-29 13:08 | カテゴリ:北森 鴻
03年1月刊
旗師「冬狐堂」宇佐美陶子シリーズの短編集第一作。
 冬狐堂シリーズは他の北森作品に比べても安心して読めるな。陶子のイメージって誰だろう。木村多江か小雪かなぁ。凛としながらも静かな中にスッと立ってるイメージ。狐だとりょう(結婚してからあんまり見なくなった)もあるかもだけどもう少しスレンダーな感じかな。
この中では「奇縁円空」が読みごたえがあるかな。作者なりの円空論にも興味持った。そんな透かし彫りなんてできるのかななんて思いつつも登場人物の強い意思が感じられる。

(陶鬼)
 陶子のかつての師匠であった弦海礼次郎が自殺したと伝えられる。自殺のイメージとそぐわないと感じた陶子は弦海が歩いた道をたどる。調べる内に死ぬ直前無形文化財久賀秋霜の萩焼を壊したことを聞く。また弦海は秋霜の兄弟子であった事を知る。当時それまで評価の低かった秋霜が一年の休暇の間に見違えるほどの作品を作るようになり、弦海に替わり秋霜が久賀の名を継いだと言う過去があった。
(「永久笑み」の少女)
 陶子が書く、作家町沢泰之への手紙とカットバックして描かれる作品。掘り師重松徳治から持ち込まれた少女の埴輪の永久笑みに心惹かれる陶子。その後徳治の死亡事件が発生し警察から事情聴取を受ける。2年前に徳治の孫娘綾子が失踪すると言う事件が起きており、綾子は失踪するまで町沢の事務所で秘書をしていた事を聞かされる。
(緋友禅)
 ふと立ち寄った久美廉次郎作品展のタペストリーの緋色に惹かれた陶子は展示してある作品全てを引き取ることにする。しかし作品が届かない事を不審に思った陶子は久美を訪ねそこに彼の腐乱死体を発見する。同時に彼の作品が全て消えていることに気付く。その半年後江崎黎子の作品展でその緋色と同じ色の反物を見つける。
(奇縁円空)
 かつての顧客が亡くなりコレクションを処分したいとの申出に瀧川家を訪れる陶子。そこにあった円空仏の鑑定のため銘木屋大槻を訪ねる。大槻の反応からそれは贋作でありその材料は大槻から出た物だと確信した陶子はその円空仏を引き取る。練馬署の犬猿コンビが陶子の元を訪れ大槻が人を刺して逃走中である事、残された手帳に陶子の名前と「鬼炎円空」と記されていたことを告げる。30年前埼玉のデパートで円空仏の展示会が企画されたが、開催日前日に何物かが円空仏に赤いマーカーで「炎」という文字を浮かび上がらせたため中止された。その仏像を作ったのが北条鬼炎とされ、その円空仏を「鬼炎円空」と呼んでいた。しかし陶子が引き取った仏像は30年前のものではなかった。
 北条鬼炎は誰なのか。大槻とはどういうかかわりなのか。なぜ30年経って鬼炎円空が表に出てきたのか。なぜ30年前に贋作を暴くようなことをしたのか。謎が次々現れる一方、円空論や木地師についても論及される。
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【ジャンル】:小説・文学 【テーマ】:ミステリ
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