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2010-01-24 10:38 | カテゴリ:北森 鴻
香菜里屋を知っていますか '07年11月刊
 香菜里屋シリーズの最終刊。何も終わらせる必要はないのになぁ。卒業みたいでちょっと淋しい。
 常連客やら他の作品の登場人物やらオールキャスト総出演。

(ラストマティーニ)
 香月圭吾は老いたバーテンダーのいるBAR谷川を訪れる。しかしそこで出されたマティーニは冷やされていないジンを使った水っぽいものだった。その後BAR谷川は店を閉める。なぜジンを冷やさなかったのか香月は香菜里屋で語り合う。

(プレジール)
 結婚が決まり山口へ移転する飯島七緒は寝たきりの祖母を亡くした峰岸明美を誘って銀座へ飲みに出た。そこで出されたもつ煮に対し気分を悪くした明美に七緒は異変を感じる。七緒はバー香月で明美と出会うが酔客が持ってきたおでんの匂いで明美は嘔吐してしまう。その後明美から、母親の実家のある群馬県で自分を鍛えたいとはがきが届く。七緒は婚約者と香菜里屋を訪れ一連の出来事を話すと工藤は蒟蒻に原因があるのではないかと言う。

(背表紙の友)
 東山朋生は香菜里屋で隣り合った客に中学生の頃山田風太郎の本が読みたかったが恥ずかしくて買えず違う本と背表紙を変えて買ったことを話す。工藤はどうしてその話になったのか気にする。
 東山は雫石の旅館の主人から誘われ会社を退職しその旅館の番頭になることを決意する。そんな時香菜里屋に馬肉が届き、送り主は山田風太郎の本の話をした隣客の浜口であろうと想像する。

(終幕の風景)
 若いカップルが香菜里屋でタンシチューがないことに悪態をつき店内が険悪な雰囲気になるが、代わりのメニューを出すことで店の雰囲気は和む。その後そのカップルから香月は香菜里屋でタンシチューがなかったと聞き不審に思う。香月と工藤は同じ店で修行しその店に香菜という女性がいたが二人の前から姿を消しそれ以来工藤は香菜の帰還を願い店を休まずタンシチューを作っていた。

(香菜里屋を知ってますか)
 雅蘭堂へ香菜里屋で使用していた道具があると聞きつけ男がやってくる。男は工藤を侮蔑の口調で語り工藤の居場所を越名集治に訊ねる。このことを香月に話すと香月は修行時代にあった事件を語りだす。
 修行していた横浜の店に大手外食産業がチェーン店化の話を持ち掛けるがオーナーは固辞する。その後店への嫌がらせのような事が続きホール係が辞めた後に入ってきたのが香菜だった。香菜は工藤に好意以上のものを持っていた。
 ある日料理評論家が取材に来店しタンシチューを口にするが塩辛く吐き出してしまう。工藤がやったことと思い込んだ香菜は工藤を許さないまま旅に出、その後店も閉店した。
 一緒に働いていた時田雅夫のせいではないかと思い当たった時、宇佐美陶子が時田と名乗る男が自分を訪ねてきたとやってくる。香月は確かにあの時のタンシチューは塩辛かったが全体にバランスが取れていたことに思い当たる。工藤は二種類のソースを作っていたのではないかと考える。
(ネタバレ)

(ラストマティーニ)
 失敗作を作ったがために店を閉めたという伝説を残したかったのではないかと推測し谷川が死んだことを告げる。

(プレジール)
 明美は祖母の排泄物の蒟蒻を見て、母親が祖母に蒟蒻を食べさせ祖母を衰弱させ死に至らしめたのではないかという思いを持ち、自分を追い詰めたのではないかと考える。

(背表紙の友)
 浜口から手紙が届き真相が解明する。その本屋は自分の家であり浜口は東山の中学の先輩であった。姉の結婚を心配していた浜口は東山の手口を真似て姉の思いを当時好意を寄せていた男性に伝えその後結婚に至ったことに感謝していた。香菜里屋で偶然東山に会った浜口が確認のためその話を持って行くようにしたのだった。

(終幕の風景)
 工藤は、香菜から手紙が届き窮地に陥っているようなので店をたたみ香菜の元へ駆けつけることにしたと香月へ手紙を書き店を出たところで本人が現れる。

(香菜里屋を知ってますか)
 時田は那智蓮丈の元へも現れる。連絡を受けていた那智は時田に仕向けたのは時田でオーナーが当時病んでおり味覚が失われつつあったことを指摘する。時田は自分が薬を入れ替えていたが味覚が失われたのは薬のせいであったため時田の行為はオーナーの味覚を戻させた。しかし薬を止めれば病状が悪化するため後継者選びを考え始めたオーナーに対し時田は工藤と店を潰す事を仕掛けたと告白する。
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【ジャンル】:小説・文学 【テーマ】:ミステリ
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