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2009-02-08 11:22 | カテゴリ:北森 鴻
凶笑面―蓮丈那智フィールドファイル〈1〉 (新潮エンターテインメント倶楽部SS)蓮丈那智フィールドファイルⅠ
'00年5月刊

 東敬大学助教授蓮丈那智が民俗学のフィールドワークの際に起こった殺人事件を解決するお話。那智はイメージ的には天海祐希か松雪泰子あたりか。

 収録作「双死神」は「狐闇」のアナザーサイドストーリー。弓削佐久哉と三國との事件をそれぞれの作品の視点で書いている。批判はあるみたいだけどこういうのって好きだな。キャラクターのクロスも好きだけど同じ事を別の視点で書いてあるのがいいな。「漱石と倫敦ミイラ殺人事件」とか「いま会いに行きます」の回想シーンなんかもそうかな。最後には《香菜里屋》も出てくる。《香菜里屋》シリーズでそれを匂わす作品はあったかな?

'97年5月「狐罠」刊
'98年5月「鬼封会」小説新潮初出
'99年10月「双死神」小説新潮初出
'00年5月「凶笑面」刊
'00年10月「狐闇」連載開始

 ってことは冬狐堂はもう「狐罠」で出てたけどそのキャラクターを「双死神」に登場させてそれを「狐闇」にも書いたってことかな?ただその頃もう「狐闇」のプロットはあったんだろうな。どちらかと言うと「双死神」の陶子の方がいきなりって感じがするから。ゲストにしてもあんまり必然性がないしね。「狐闇」の方の三國はほんとにゲストって感じで登場してる。もしかしたら「狐闇」の宣伝用の作品だったりして。出版はこっちが先だけど「狐闇」の方を先に読んだ方がいいな。

(あらすじ)
「鬼封会」
 毘沙門天が鬼の首を取ると言う岡山県に伝わる「鬼封会」という宗教行事のビデオ送ってきた教え子の都築常和が殺害される。彼は「鬼封会」が行われる青月家の長女美恵子の引越しに合わせて同じ町に移り住んだ形跡が見られ、ストーカー行為を働いていたという疑いが持たれる。
「凶笑面」
 骨董屋阿久津圭吾から禍々しい笑い方をした凶笑之面の資料が送られ、那智は民俗調査の依頼をされる。面が保管されている長野県佐久郡の谷山家を訪れた那智と三國はそこでその家の娘玲子と民俗学者甲山と会う。谷山家のの中で阿久津がビー玉の入ったガラス瓶で頭を強打したような死体が発見され、その傍らに面の写真があった。甲山はその面についての論文を発表すると言う。
「不帰屋」
 社会学者護屋菊恵から東北地方の実家にある離屋の調査依頼が来る。調査の内容はその建物が女性の不浄の間であることを証明してもらいたいということだった。雪の止んだ朝、菊恵の死体が離屋の雪の密室状態で発見される。
「双死神」
 弓削佐久哉から未発掘の遺跡の実地調査の依頼があったことを那智には言えないまま、助手の内藤は山口地方の製鉄に関する調査に出かける。そこで《狐》と名乗る女性から危険が及ぶことを注意されながらも《税所コレクション》について調べることを勧められる。遺跡を下見をした翌日弓削は遺跡内の崩落事故で死亡する。
「邪宗仏」
 山口県波田村から、村に伝わる、両腕が肩からなくなっている秘仏に関するレポートがまったく別の二人から那智の元へ届く。そこには、両腕が切り落とされており景教(キリスト教)仏であると記されていた。那智らが村へ到着する3日前に、レポートを送った者の一人御崎昭吾が両腕を切り落とされて殺害されており、その秘仏を模してのものと思われた。学者気取りの昭吾の下へ嫁いだ三田村の姉が全ての苦労を背負って亡くなった恨みで殺したのではないかとレポートを送ったもう一人の助役佐芝は言いふらす。
(ネタバレ)

「鬼封会」
 ストーカーは美恵子の方で、都築の引越しの様子を伺いそれに先立って移り住んでいた。美恵子は都築に受け入れてもらえなかったため殺してしまった。
「凶笑面」
 写真は偽物で商売を邪魔する那智たちをからかうために、阿久津が送ったものではないかと推測された。それを知った甲山が阿久津を殺し写真そのものを証拠とし鑑定を行えないようにしたと推理する。
「不帰屋」
 離れは女性を人身御供とするための部屋であった。一酸化炭素中毒での死亡とされるが、母クメが菊恵に離れのいわれを話したところ、菊恵が壊して書庫にすると言ったため離れに誘導して中毒死させたが遺体を発見した坂本が薪で殴りクメの犯行を隠した。
「双死神」
 遺跡は製鉄施設ではなく盗掘後の古墳と見られ別の古墳の出土品の隠し場所と考えられた。弓削が《狐》を生き埋めにする仕掛けを施したがゴルフ場の汚水によりその仕掛けが発動し自らの命を絶つ結果となったと推測された。
「邪宗仏」
 三田村は仏像の形状を知らなかった。景教仏説をつぶすと言われた開発業者の生方が殺害したもの。しかし半死半生の御崎が犯人は佐芝だと思い込み、手で佐芝を表す印を結んだまま死後硬直したため、佐芝の名に傷がついては自分の事業が成り立たなくなると考えた生方に切り落とされたものだった。景教仏説は生方が考えたものと推測された。
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【ジャンル】:小説・文学 【テーマ】:ミステリ
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