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2009-04-11 00:38 | カテゴリ:ミステリー
検察審査会の午後 (光文社文庫)'94年5月刊
 教員佐田章は検察審査員の補充員に選ばれる。検察審査会とは検察官が不起訴の処分を下した事件に関しそれが妥当かどうかを審査する機関である。検察審査会は起訴、不起訴の妥当性を審査するため必ずしも事件の解決を見ることはない。
 裁判員制度は話題になるけどこれは聞いたことがないな。自分はもちろんやったなんて人は聞いたことがない。
 かつての教え子で雑誌記者の米山がすでに検察審査会の審査員に選ばれており折に触れ検察審査会での話をする。15年前に自分の人生を変えた栃尾素子に似た笑い方をする小淵沢妙子という女性と出会う。かつて不倫から人生が変わった佐田と小淵沢の微妙な関係が話が進むごとに変化していくのが心地よい。
(落ちてきた義務)
 最初の申立て事案は喫茶店を経営する白田かね子が税務署員から家宅捜索を受け長時間に渡り寝巻き姿を見られたこと、及び家計簿を取られ1週間後に返されていたことに対する職権濫用に関する案件だった。
 審査会で米山は、白田の喫茶店「白帆」の名前は懇意にしている帆田源一郎の名前から取ったことを聞き出す。小淵沢妙子はその家計簿から無くなった物はないかとの質問し白田は写真がなくなったと答える。
 税務署員の森本に対する質問で、森本は下着の中に何か隠されると困るので下着をつけさせなかったと答える。
(消えた指紋)
 ホテルの一室で町の農政課長をしている沢田幸吉が脳内出血で死亡しているのが発見された。沢田は女性と会うために偽名を使ったと推測された。新聞がその事件を報じた翌日相手の女性真鍋真澄が名乗り出る。真鍋が部屋を出た後に沢田が亡くなっていたと見なされ不起訴となったが、被害者の妻から「遺棄致死被疑事件」として申し立てられる。
 小淵沢にも似た経験があり、かつて世話になった会社の社長と関係を持った際、頭痛がするから早く帰れと言われたが妙子は救急車を呼び社長の命は助かったが半身不随となった。これが元で交通刑務所に入っていた夫と離婚することとなった。
 事件当夜、県会議員の中村と名乗る者から電話があり約束しているので寝ているはずがないと様子を見に行ったところ亡くなっていた。しかし中村に確認したところそんな電話をかけてはいなかった。
 根本警部補の証言から現場には真鍋の指紋がなかったことが明らかになる。
(効きめのない祈り)
 風邪で審査会を休んだ佐田を小淵沢が見舞いに訪れ審査会の話題になる。ぼけ防止のお守りに20万円払ったがぼけは進行したため詐欺であるという訴えであった。
 訴人の話によると母親の通帳から20万円が引き下ろされており何に使ったか問い合わせたところ、お寺に渡したと言う。寺に確認したところ受け取っていない、ぼけたのではないかと言われたとのことであった。お寺の娘である靖代によると迷子札をヒントにぼけ防止お守りを作ったのだと言う。20万円については受け取っておらずよその寺にしても高すぎると証言する。
(毒入りだんご)
 大和田貢が愛犬「バーディ」が散歩中に道端のだんごを食べた後死んだのは、以前犬のことで口論になった並木龍太郎が毒殺したものだという告訴に対し証拠不十分で不起訴になった件であった。
 小淵沢らは大和田と並木の狂言を疑う。妻の治美がフィリピン男性と付き合っている事を知っていた委員の安永の話から、小淵沢は大和田がそのフィリピン男性を殺し庭に埋めたが犬に気付かれるのを恐れて殺したのではないかと疑う。
(心停止時刻)
 M町の町長選挙で前職の前島和也が投票日に亡くなる。死亡診断書では投票開始時刻を過ぎた時間の死亡だったため規定により再投票が行われることとなった。投票開始前であれば相手候補の無投票当選となるためジャーナリストの谷村陽一郎は診断書に嘘があると告発した。谷村は他に消防署の記録に出動要請時刻が6時9分だったこと、診断書を書いた松宮医師の向かいの住人が7時に頃出たと証言しており死亡時刻の7時13分には時間がなさ過ぎ、ただ診断書を書かされたのではないかと疑い、申し立てていた。
(紐がからむ)
 佐田の教え子で新聞記者をしている安藤が審査会について聞いてくる。
 事件はひき逃げでひいた車は綱原代議士の車だったが出頭してきたのは私設秘書の庭野だった。被害者は名乗り出た犯人を「証拠隠滅の容疑」で告発するが不起訴となった。被害者が庭野が犯人ではないと言ったのは自分をはねたのは女だからだと言う。
(盗まれた音)
 佐田は小淵沢の任期が切れる前に自分の想いを告白しようとしたができないまま時間が過ぎてしまう。そんな時米田から、小淵沢が入院したとの電話が入り二人で見舞いに行く。
 隣室のOL保坂沙織からもらったぬいぐるみに盗聴器が仕掛けられていて夫婦の生活を盗聴したとして告発したが住居侵入もなく財物も取られていないということで不起訴となっていた。また保坂も盗聴器については覚えがないと主張していた。
(深夜の刑事)
 予備校生の川本広哉は夜、警官から職務質問を受け肩を叩いた警官の手を払いのけたことから逮捕されたことに職権濫用罪で告発したが不起訴となっていた。職務質問をしたきっかけが川本がマンションを見上げていたためであったため実地検分が行われる。川本はそこに知り合いがいると供述していた。
 補充員から補欠の審査員に選ばれた栃尾は佐田に今回の事件について問いかける。佐田はかつて自分の人生を変えた女性と同じ姓の栃尾に危惧するが話していくうちに確信に変わる。しかし7年前に自分の時と同じケースで相手の奥さんから刺されて亡くなることを知る。このことを小淵沢に話すが途中で電話を切られてしまう。
(ネタバレ)

(落ちてきた義務)
 米山が森本と帆田が高校の同級生であることを突き止め、「不起訴不当」と議決される。
(消えた指紋)
 米山は真鍋の尋問から中村県議と懇意であること、当日そのホテルへは行かなかったこと、中村県議から出頭しろと言われたことを聞き出す。中村県議が進めようとしてるゴルフ場の建設絡みではないかと思われるため事件としては「不起訴相当」だが検察官に申し添えることとする。
(効きめのない祈り)
 採決の結果は「不起訴相当」だった。米山は独自の調査により20万円は母親が次男に渡したことを知っていた。
(毒入りだんご)
 国税局の家宅捜査が入り、バーディの墓の下に金庫が隠されており脱税を隠蔽していたことが判明する。
(心停止時刻)
 松宮医師の「死を決定するのは医師である。」の言葉に「不起訴相当」となる。
(紐がからむ)
 庭野は女装癖があることを告白して「不起訴相当」となる。
(盗まれた音)
 「不起訴相当」となる。米山との会話で保坂の不倫相手からもらったぬいぐるみに仕掛けられておりそれを知らずに渡したのではないかという憶測が生まれる。
(深夜の刑事)
 検分の際に浮かび上がったマンションの住人山岡和枝は経済的援助を受けていた手島と縁を切ろうとしたがプロの刑事に男性関係を調べさせると言われていた。
 検察の方でもう少し調べて欲しいいう「不起訴不当」となる。
 小淵沢妙子から伊豆へ一緒に旅行しないかと手紙が届く。


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【ジャンル】:小説・文学 【テーマ】:ミステリ
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