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2008-11-23 21:55 | カテゴリ:重松 清
卒業'04年2月刊
 この人の小説は、はじかれた人たちがテーマになることが多かったけど、この作品集でははじかれ方が今までとは微妙に違ってる。いじめではなく自分の意思を持つがために世間からはみだしてしまう。それをどちらかというとはじく側の視点で書かれているのかな。
 ちょうどどこかの高校入試で、選考項目に入っていない容姿による選考を行って処分を受けた校長がいたけど、聞くと結構厳しい先生らしいけどその分慕われてもいたらしい。「あおげば尊し」に出てくる元教員の父親も似た感じなのかなぁなんて思った。死を考えさせようと自分の手を切った先生もいたらしいけどこれもこの編の主人公に通じるものがあるのかも。

(あらすじ)
「まゆみのマーチ」
 幸司は母親の死の目前で妹のまゆみと2年ぶりに再会する。
 幼い頃のまゆみは歌が大好きで小学校の入学式の入場の際や教室でも歌を歌い幸司を困らせていた。担任がまゆみにマスクを掛けさせ歌わないようにさせるが歌えなくなったまゆみの口元は真っ赤に腫れあがり、はずしても歌えなくなっていた。登校もできなくなったまゆみに母親は「まゆみのマーチ」を歌い励まし続けていた。
 幸司の息子亮介は親の期待に応え頑張っていい中学に入学するが1年の秋に体調不良を起こしついには記憶をなくしてしまう。
「あおげば尊し」
 学校を秩序と厳しさを教える場として教師生活を過ごした父を末期ガンの在宅医療を施すため自宅に連れて帰る。自分も小学校の教師としての道を歩むが父の教え子が誰も訪ねてこないことに父の方針が正しかったのか疑問を抱く。
 自分のクラスには死に興味を持つ康弘という児童がおり、斎場へ忍び込んだりサイトを覗いていた。
 父を不憫に思い、命の尊さを子供たちに伝える名目で父親に子供たちを合わせるが最後に残ったのは康弘だけだった。康弘に介護を手伝わせ自宅に招くが部屋から離れた時康弘は父親を写真に撮っていた。康弘を部屋から追い出し父親に謝るが声にならないはずの口元から「いいから」の声が聞こえる。
「卒業」
 かつての親友だった伊藤の娘亜弥が父親のことを聞きたいと会社を訪ねてくる。伊藤は14年前にまだ亜弥が母親のお腹にいる時に自殺していた。亜弥の母親は再婚しレストランを営んでいた。レストランの情報をネットで見ていたとき、亜弥がサイトを起ち上げ、伊藤の情報を求めていることを知る。亜弥に会い亜弥が伊藤の学生時代を調べていること、自殺を試みたことがあることを聞く。サイトに伊藤との思い出を書き込むが3週間で書くことに行き詰ってしまう。そんな時リストラを言い渡される。
「追伸」
 6歳で母親を亡くした敬一は母親に愛され、また母親を敬愛していた。死ぬ直前まで敬一への思いを綴ったノートを母親の死後読まされる。5年生になった頃父親が「ハル」と呼ぶ女性と再婚する。死んだ母親に対するがさつなハルの態度が許せない敬一はハルを新しい母と認めず反発していた。亡き母が残したノートの最後にハルが敬一に対して書き記したことに腹を立て口論となりハルはノートを破ってしまう。
 大人になった敬一は新人作家の登竜門である賞を受賞する作家となり、母親に対するエッセイの連載の依頼が来る。敬一は亡き母が生きてたらこうしたであろうという虚構のエッセイを書く。しかし妻からは義母の気持ちを考えたことがあるかと言われ、編集者からはフィクションではないかと投書があったと聞かされる。
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【ジャンル】:小説・文学 【テーマ】:本の紹介
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