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2011-02-18 23:03 | カテゴリ:その他小説
つやのよる'10年4月刊

 この人の作品にしては珍しい作りになってる。艶という女性に関わった人の連作小説だけど艶が直接浮かび上がってはこない。ほとんどが艶に直接関わった人の艶の話ではなく話の中に間接的に出てくるという印象である。そのため本の中に艶を探しに行くとちょっと複雑になる気がする。なので単純にその章を短編として読んだ方がいいのかもしれない。珍しいと言ったのはミステリーなんかで取られる手法で、全体のプロットがあるんだろうなって感じさせる小説の分野に入りそうだから。どんな小説にもプロットはある上で書かれるんだろうけど順番に進んでいく話だとそんなことは考えないで読んでる気がする。最終章でそれまでの話がつながりを見せる。
 著者も言ってるけど「ある物語があれば必然的にそこにかかわった人間の数だけの物語がある。」艶に関係を持つ人たちのそれぞれの物語である。

(あらすじ)
「艶の従兄の妻、石田環希(51歳)」
 環希と、作家天馬愛子のせいで編集者を辞め作家になった夫行彦と二人の共通の友人池谷氏とその妻玲子の織りなす物語。
「艶の最初の夫の愛人、橋本湊(29歳)」
 工務店に勤務する湊が社長と関係を持ちながらもアパートのオーナー太田とも関係を持つ。太田の元にかつての妻艶の危篤の連絡が入る。
「艶の愛人だったかもしれない男の妻、橋川サキ子(60歳)」
 総菜屋で働くサキ子は夫仁史を自殺で亡くしていた。艶という女性の夫でマツオと名乗る男から艶危篤の連絡が入る。艶と仁史とは何かの関係があるという。サキ子は艶が入院している病院があるO島へ向かい、艶と仁史は出会い系サイトで知り合った事を聞く。
「艶がストーカーしていた男の恋人、池田百々子(33歳)」
 O島の美容室で働く百々子は恋人の優がかつて身ごもらせた女とその子供に会う。優はかつて艶に言い寄られていたが、艶は危篤状態にあった。
「艶のために父親から捨てられた娘、山田麻千子(20歳)」
 大学生麻千子の父は料亭の板前だったが、麻千子が八歳の時に艶と暮らすために家を出て行き、O島で「レストラン松生」を始めた。麻千子は高畠朗人と遠距離恋愛中だったが安藤教授とも関係を持つ。
「艶を看取った看護師、芳泉杏子(31歳)」
 杏子はレストラン松生で叔母が連れてきた真藤一巳と見合いをしたことを艶に話す。杏子は真藤と交際しながらもかつての交際相手だった雅人を思い起こす。
「艶の最後の夫、松生春二(49歳)」。
 松生は小柄な中学生が浅い川を竿で掻きまわしている光景を見る。竿の先には白いスポーツシューズの片方があった。十年来艶と暮らしてきたが入院のため艶を病院へ送り出す。浜辺で川で見た中学生を見つけ、茅原優の元に母親と一緒に来た子供だということを知る。少年は松生に「艶と結婚してるんだ」と聞く。
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【ジャンル】:小説・文学 【テーマ】:文学・小説
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