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2008-01-27 16:40 | カテゴリ:その他小説
宇宙衛生博覧会 (1979年)'79年刊
 この人のっていつくらいから読み始めただろう。「タイムトラベラー(時をかける少女)」や「家族八景」を書いてたなんて知ったのはしばらく経ってだった気がする。
 SFってのはどこまで想像できるかなんだと思う。時間が急速に流れるとどうなるか。時刻表通りに走るバスやボクシングの試合でボクサーが鐘がカンカン鳴る中、立ったり座ったりしている姿を想像するだけで可笑しい。うわごとのように「4時です5時です6時です7時です」と喋り続けるラジオって(「急流」)。
 ちょっとグロテスクなんで想像力豊かな人には敬遠されるかも。クレール星でクレール蟹を貪り食った植民地人を襲った、まるで蟹の甲羅が頬へ張り付けたような奇病。しかもその甲羅が自由自在に取り外しがききその内側にクレール蟹同様美味しい味噌が付着する(「蟹甲せん」)。20センチもの甲殻虫であるランプティ・バンプティを背中につけることによって天才になれる「こぶ天才」。シャラク星のドド豆を圧力なべで調理する際誤って顔に浴びた際の悲惨さを語る「顔面崩壊」。
 一番笑ったのは「関節話法」かな。マザング星の大使に選ばれた津田はマザング星の言語である関節を鳴らしながらの会話を覚える。地球とのトラブルの収拾にあたるが、途中、関節が鳴らなくなり会話が支離滅裂になっていく。
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【ジャンル】:小説・文学 【テーマ】:読書感想文
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2008-01-19 16:30 | カテゴリ:ミステリー
'81年刊(文庫版)
 江戸橋本町の裏長屋に巣くってるものもらいや大道芸師達は雨の降った日は稼ぎはできないため、のたのた寝てくらす事から名付けられた「なめくじ長屋」。
 住人にはマメゾー、カッパ、ユータ、テンノー、ガンニン、アラクマ、オヤマがおり辻に色とりどりの砂で砂絵を描く正体不明の「センセー」と呼ばれる砂絵師がなめくじ長屋の住人が集めてきた不思議な話を金や人のために謎解きをする。
 一度たけしとたけし軍団でTVで映像化されたことがあった。イメージ的にはセンセーは石坂浩二(古い?)かキムタクでもいいかな。

「よろいの渡し」
 金物屋の女隠居が殺されその手口から下手人として髪結いくずれとその幼なじみの人魂長次が浮かぶ。長次が旅じたくで出かけたため檜物町の源七と富島町の房吉がその後をつけ鎧の渡しに乗り込むのを見届ける。途中女が素っ裸で川へ飛び込む騒ぎがあり、その後長次が船から消える。
かっぱがそれを聞きつけてセンせーに知らせ、舟で飛び込んだ女お連が長次とのつながりがないこと、源七も房吉も長次をゆくえを追わなかったことを聞き、めぼしをつける。

「ろくろっ首」
 マメゾーが客から投げられた風呂敷包みと繭玉を手玉にとって回してると風呂敷包みから男の生首が現れる。その生首は塩漬けにしてあり、その額には見慣れぬ文字が記されていた。岡っ引にセンセーは信州の山住み者が使う符丁で復讐を意味するものだと答える。その事件の前に首なしの女性の死体が発見されていたが、それは男でマメゾーがおっつけられた首はその死体のものだった。死体は紙問屋の跡取り息子時太郎で妹おのぶには縁談が進んでいるところだった。

「春暁八幡鐘」
 アラクマは町で薬種問屋和泉屋の風呂桶を盗むよう声を掛けられる。五日以内盗み出せば三分になるとセンセーに相談を持ちかける。センセー達はぼや騒ぎを起こしてまんまと風呂桶を盗み出す。金を受け取ったオヤマは男の後をつけ商家の若旦那梅太郎と知る。アラクマは盗み出した褒美に女を抱かせると言われる。目隠ししたまま連れられた座敷でアラクマは粗末な半天に荒縄の帯を締め明かりをつけたまま女を抱くように言われる。

「三番倉」
 瀬戸物屋伏見屋の三番倉で番頭の徳太郎と手代の清七が争い、徳太郎は腹を刺され駆けつけた手代に捕まえてくれと叫び倉の中に清七を閉じこめる。しかし岡っ引が来て倉の扉を開けても清七の姿はなかった。

「本所七不思議」
 小舟に狸と首に縄でつながれた新右衛門という高利貸しの死体が見つかる。新右衛門の自宅を訪ねた岡っ引の義平はその朝、足を洗えという声が聞こえたと新右衛門の息子の新助から聞く。その後松の川側へつきでた枝がなくなった松が見つかり狸ばやし、ひとつ提灯の話を聞きつける。

「いのしし屋敷」
 越前屋の養子孝助は、貧乏旗本夏目半九郎が開いているいのしし屋敷と呼ばれる堵場で作った借金の形に妾のお菊を取られる。お菊を救い出せば百両出すとユータ頼まれる。いのしし屋敷に忍び込んだセンセーとマメゾーだったが手傷を負わせられ逃げ帰る。その後孝助が袈裟懸けに切られ殺された姿で発見される。

「心中不忍池」
 不忍池の茶屋で富島町の房吉親分が心中の様相で発見されるが相手の女は老婆に変わっていた。
(ネタバレ)
【ジャンル】:小説・文学 【テーマ】:ミステリ
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2008-01-06 16:04 | カテゴリ:連城三紀彦
宵待草夜情―連城三紀彦傑作推理コレクション
'83年刊
 連城ミステリーのNo.1だと思う作品集。男と女の関係を描きながらミステリーとしても遜色ない。作品順に心情重視からミステリー重視へバランスがシフトしていってる気がする。「能師の妻」では後妻に入った篠が継子貢に能師としての技量を叩き込むため厳しい稽古をつける一方、母子とも男女ともつかない強い思いを描いており、その結末としてひとつのトリックが使われている。「野辺の露」は連城お得意の「実は」ストーリー。ずっと寄せていた義姉に対する想いを綴りながら真実に気付いていく。表題作「宵待草夜情」も命儚い者達の淡い望みを重ね合わせて描いている。伏線も散りばめられており、読み返すとなるほどと思わせる。「未完の盛装」はそれまでの作品に比べると欲望が色濃く描かれミステリートリック度を強く描いた作品。表現が難しいはずなんだけど視点がブレることなく描かれている。明治中期から戦後まで時代を背景に描かれているけどこの時期の作品を書かせたらやっぱりうまいね。

「能師の妻」
 能師藤井信雅は鷹場伯爵の援助を受けていたが伯爵の洋行と共に不運に見舞われ家族を次々と失う。自身も脚を痛めたため、まだ16才の次男の貢に自分が舞うはずだった「井筒」を帰国した伯爵の前で舞わせ絶賛される。しかし貢はその3日後に失踪し10日後に変死体で発見される。神社境内の桜の木の下から貢の体の一部が発見され、そこで義母の篠の姿を見たとの証言する者が現れ篠が犯人とされる。警官が藤井家に踏み込むが自供を記した手紙を残し、篠は失踪しその後行方不明となる。

「野辺の露」
 兄の妻杉乃に想いを寄せる順吉は兄の入院中に杉乃と関係を持ち暁介が生まれ兄の子として育てられるがやがて兄の知るところとなる。兄は弟との縁を切り杉野とその子暁介に冷たい仕打ちをし妾の家に入り浸り妾の方の子供ばかりを可愛がっていた。ある日暁介が順吉を訪ねて来、その後泥酔し父親を刺し殺したとして逮捕される。

「宵待草夜情」
 カフェ「入船亭」に入った古宮は女給土田鈴子と親しくなり通い始める。同じカフェの女給照代と恋仲だった稲田が鈴子に心変わりしたことを恨みに持って、照代は進んでいた鈴子の結婚話を邪魔するようになり相手も疎遠になっていたと聞く。古宮はかつて友人白河が自らの命を削って描き上げた絵に真紅の絵具を塗りつけ白河を画壇から絵を葬った。東京へ出ようと決意した古宮は鈴子に宵待草を描いた扇を渡そうと入船亭を訪ね店から出てくるのを待っていたが鈴子が着物の袖を赤く染めて出てきたのを見つけ店へ入ると照代が死んでいた。鈴子に渡そうとした扇に鈴子は古宮の吐いた血を指につけ切る。

「花虐の賦」
 病床の夫と子供を捨て女優として開花した川路鴇子こと津田タミは演劇の師である絹川幹蔵と師弟の関係にありながら男女の関係にあった。舞台「傀儡有情」の成功により「佳人座」に大きな展望がひらけた最中、絹川が突然自害し、周囲ではその理由がまったく分からなかった。絹川の四十九日に鴇子も同じ千代橋上で自害し、後追い自殺と見られた。

「未完の盛装」
 戦地から夫が帰って来たが、既に闇物資の仲買人である吉野と関係ができていた葉子にとっては邪魔な存在だった。病床に伏せることになった葉子の夫に吉野も業を煮やし吉野は葉子に薬を渡し、その一週間後夫は葉子の目の前で死ぬ。医者の田口を呼ぶが何も言わず死亡を確認する。葉子は吉野に夫を殺したことと桜井という刑事が来て吉野が葉子に薬壜を渡したところを見たという葉書が来たと訪ねて来たことを告げる。その年末新宿に店を持った葉子の前に桜井があの時の薬壜を持って現れる。
 それから十五年後吉野は、赤松弁護士事務所を訪ね、あの事件を知った女給の歌江から脅迫されているがもう時効である事を話してもらいたいと依頼する。歌江は十二年前の事件として手紙をもらったという。一方で桜井も脅迫を続けており警察に時効まであと三日だと電話する。死亡日を証言できる田口医師も殺害される。
(ネタバレ)
【ジャンル】:小説・文学 【テーマ】:ミステリ
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