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2007-12-29 21:19 | カテゴリ:邦画
告訴せず>'75年公開
監督: 堀川弘通
原作: 松本清張
出演: 青島幸男、 江波杏子、村井国夫、西村晃、 渡辺文雄 他

 物語だと悪いことがそううまくいくはずはない、どこかで破綻するはずと予想しながら見ているうちにどうなるどうなるって引き込まれていく。相場の根拠が占いってそれだけで破綻の可能性を秘めているじゃない。でもだんだん主人公に肩入れしていってうまくいくよう願ってしまう。で一応は思った方向に進んでいくからなおさら。江波2
 江波杏子もいい女性を演じている。やっぱり途中で崩れていくんだけど最後はちょっぴり救われる。お篠自身はかわいそうだけど。お色気も見逃せない。
 「点と線」を見た後だと新幹線や飛行機が新鮮。こうやって見てると清張って旅行物なんだなって感じる。六角堂なんかも出てくる。
 確かにラストは意外だったし伏線も張られてたけど意外度は少ないかな。監督は役者を変えればって言ってたけどそうするしかなったかも。ある意味突拍子もないから。
 今はもうドラマにしても映画にしてもこんな映像は作らないだろうな(監督も今の時代じゃできないって言ってる)。
(ストーリー)
 岡山県の衆議院議員選挙の最後の追い込みに3千万円必要となった木谷芳太(渡辺文雄)は派閥の違う宗近大臣(小沢栄太郎)から融通してもらうことになる。その受け渡し役に木谷の妻の春子(悠木千帆)の夫で食堂で働く省吾(青島幸男)が選ばれる。省吾は大臣の事務所から三千万円を受け取るが行方を絶つ。
 省吾は伊香保温泉に滞在しておりTVで木谷が当選した事を知る。省吾は旅館の仲居のお篠(江波杏子)と深い仲になる。旅館で50万円盗まれる事件が発生し省吾が取調べを受け署長に事情を話すが大臣からは知らないと連絡が入る。裏金の発覚を怖れ横領罪で告訴できないことに気付く。
 東京で潜伏を続ける省吾は宮司から今年の小豆は不作との占いを思い出し相場に手を出す。一方岡山からの追跡の手が忍び寄ってきていることをお篠から聞き、二人で旅に出る。思わぬ大金を手にした省吾だがお篠と営業マンの小柳(村井国夫)が親密に見えることに不満を覚える。
 さらに大凶作との占いが出たことにより小豆を買い続ける省吾。誰もが損をすると見る中、占いが当たり2億4千万を手にする。お篠は夢だったモーテル経営を勧めるが土地建物の登記のため自分の素性を明かさなければならないことから最初は拒んでいたがお篠の名義にし、自分が権利証と印鑑を預かることで渋々了解する。モーテルオープンの日、木谷芳太から花輪が届き慄く省吾。
 ある日モーテルの一室から火災が発生する。権利証と実印を植え込みに隠し消火に当たる省吾だったが燃え盛る部屋に何者かに閉じ込められてしまう。退院した省吾はお篠が銀行の融資を受け隣地を買ったことにを知る。省吾が入院している間に改印し、不動産屋と小柳が保証人になっていることを聞かされる。
(ネタバレ)
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【ジャンル】:映画 【テーマ】:邦画
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2007-12-22 22:49 | カテゴリ:ミステリー
防壁'97年刊
 特殊任務にあたる男達が事件を通して男と女の心の真実を見出していくことが共通するテーマとして描かれた短編集。

(防壁)
 警視庁警護課員佐崎康利俊は最大野党の政調会長である鳴川茂則の警護のため神谷剛史警部の指揮下に入ることを命ぜられる。そこには義理の兄大橋誠もいた。神谷はかつて家庭がある身でありながら佐崎の姉と関係を持っていた。鳴川への抗議行動が過激化していた。鳴川の講演会の後銃弾が鳴川を襲う。その盾となって大橋が胸を撃たれる。大橋の見舞いに神谷が訪れている気配があり姉との関係に疑惑を抱く。神谷の休日と鳴川が襲われた日が奇妙な一致をしていた。

(相棒)
 海上保安庁に勤務する長瀬は3年間付き合った田村由美に気持ちが離れていくのを感じ最後に一緒に海へ潜るため伊豆へ出かけた。海中で由美がマスクを払い、見え透いた自殺の演技と感じた長瀬は由美に別れを告げる。その後付き合い始めた亜希子から転職を薦められた頃、輸送船の横転により出動命令が出る。船内で船長を発見し救助するが途中トラブルによりボンベを落としてしまう。

(昔日)
 川崎市の住宅改築現場から不発弾が発見される。陸上自衛隊不発弾処理隊の高坂透は不発弾を覆う土の色に違和感を覚える。
 高坂は10年程前に津田君江と結婚したが仕事のことから些細な諍いが多くなり次第と帰る時間が遅くなり行きつけの飲み屋で麻里子と知り合うことになる。結婚から数年後、君江に離婚を切り出そうとしていた頃、君江からドライブに誘われる。ハンドルを握った君江は対向車に突っ込み衝突は避けられたが病院へ運ばれることとなり、その後離婚する。その君江から再婚したと手紙が届く。
 川崎市近郊では同型の爆弾が出ておらず関西方面が多かった事と土に対する疑問から高坂は土地の所有者手島寛二から話を聞く。元の住宅は昭和45、6年頃当時建設業を営む手島の片腕だった下村が指揮を取り名古屋からの本社ビルの移転と共に建築されたものだった。下村が不発弾を運んだのではという疑惑を持った高坂は名古屋へ向かい、当時を知る相沢と会う。本社移転の頃,会社が造成した住宅地でがけ崩れが起き死者を出したことがあったことを聞き、下村に会いに行く。

(余炎)
 消防士の直井が所属する大泉署管内で連続して5件の不審火が発生していた。
 直井には由希子という付き合っている女性がいたが知らずして同僚の岩本から奪った経緯がありつい最近子供がいることを知り心が揺れ動いていた。
 出火時間が深夜ではないことから子供にまで疑惑の目が向けられた。直井と由希子と娘の久美子で遊園地に出かけるが久美子の態度に同じ体験を持つ直井は25年前の自分を重ねる。そんなとき管内の中学校から出火の知らせが入る。消火作業を終えた直井は現場で久美子と出会う。久美子は「やっぱり同じだった」と直井に言い放ち立ち去る。
 直井は不審火が自分達の隊の当番日に当たる事に気付く。その当番表をリハビリ中の関屋光男が見に来たことを知る。関屋を問い詰める直井に対して明日まで待ってもらえるよう頼まれるが、出火の報が届く。
(ネタバレ)
【ジャンル】:小説・文学 【テーマ】:ミステリ
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2007-12-09 09:40 | カテゴリ:連城三紀彦
 '84年9月刊
 この人の作品のおもしろさって意外性っていうかどんでん返しの妙にあると思う。よく考えるとそんなムチャなって設定もあるけどそれが気持ちよかったりする。ここでいうと(花衣の客)がそれに当たるかな。この短編集はどんでん返しの連作って訳じゃないけど意外性があって話の中の一つ一つのエピソードが伏線となって後で生きてくる。
 あ、それと明治~大正期の情景を描かせるとうまい。時間の流れが時代物と現代物のちょうど中間に感じられるのが心地よい。
ちょっと物悲しい雰囲気も独特だよね。(炎)ではアリバイトリックっぽいのが使われるけどそれがメインではなく生きる甲斐を見失った男と女の心の重なりが儚く描かれる。
 また道具がモチーフとして使われている。(瓦斯灯)の花簪、(花衣の客)の蝋月(白いしたたりのある茶碗)、(炎)の懐中時計とランプ。どれも物語の重要な役割と雰囲気作りに一役買ってる。
 (親愛なるエス君へ)は他の作品とはちょっと異なる。たまにこう言う異色な作品が混じることがある。これも意外性はあるけどちょっとムチャかな。もうこんな事件があったことを覚えてる人も少ないんだろうな。

(瓦斯灯)
 人を殺め監獄へ入った亭主の佳助の出所を待つ峰は内職程度に針で生計をたてていた。生まれ育った深川へ戻った峰は幼馴染でかつて夫婦の契りを交わしながらある事情で裏切る形となった倉田安蔵とひょんなことから再会する。安蔵は瓦斯灯に夕方に火を点け朝に火を消す点灯夫の仕事をしていた。
 峰の一人娘千代も安蔵になつき千代が安蔵からもらった花簪を目にした時、峰は子供の頃安蔵が自分のために簪を盗んでくれたことを思い出していた。
 安蔵を裏切ることとなった事情とは峰の父親が集金袋を盗まれ、それを都合してもらう代わりに峰が身売りするようにそこへ嫁いだのであった。
 峰は安蔵との復縁を望み安蔵にそれとなく申し出る。安蔵は峰がかつて裏切ったことを口にするが承諾する。峰の父親の金が盗まれた時自分を疑ったかを聞くが峰は否定する。
 一緒に暮らすようになったある日、千代が安蔵からもらった簪が盗品だと分かり安蔵の盗癖は身に染み付いた悪癖ではないかと疑う。台風一過の日、安蔵の家を訪ねた峰は骨壷の中の二百円を見つける。峰はそれは父親が盗まれた金に間違いないと確信する。

(花衣の客)
 紫津は、かつて自分の母親と関係を持ち一度は心中事件をも起こした飯倉健蔵の死に際に立ち会っていた。飯倉は月に一度父の遺品の骨董を見に母の下へ来る者の一人だった。飯倉の妻が紫津の母を訪ねたことがあり、それ以来飯倉の妻は母に高価なしかし派手すぎるくらいの着物を送ってきた。母はその着物を仕立て直して飯倉が訪れる時には必ず着ていた。二度目に訪れた時、帰りがけに母に似ていると言われ頬を打たれる。その十日後母は飯倉と心中事件を起こし命を落とす。その後紫津は月に一度の飯倉との逢瀬のために22年間生きたが飯倉は紫津に触れることはなかった。その22年間紫津は死んだ母と戦い続けていた。

(炎)
 戦地へ向かう前の日に娼家へあがった辰治は自分の命を諦めているなら自分を道連れにしてくれと女から言われる。ひと眠りした辰治の懐中時計は9時少し前を指していた。その後、女が、客で来ていた竜三という男を送り出す姿を見かける。辰治の時計が零時を回る頃刑事が訪ねてくる。竜三のアリバイを聞かれるが女は9時に出て行ったと証言する。女は辰治に証言を求めるが辰治はその男なら10時に出て行ったと証言する。

(火箭)
 美術誌の編集に携わる野上秋彦は戦後の画壇の重鎮伊織周蔵の葬儀の後、遺作である「火矢」を目にするがそのほとんどが黒一色に塗り潰されておりそこに一本の火矢が描かれただけの絵であった。野上は伊織夫人の彰子から奈良へ誘われる。二人は一年前から関係を持っていた。彰子から、伊織の死は自殺で二人の関係を知っており「火矢」には火に焼かれ苦しむ二人が描かれていたが自分が黒く塗り潰したと告白される。

(親愛なるエス君へ)
 当時パリで話題となった事件を起こしたエス君への書簡体形式の一人称で語られる。エス君を”親愛なる友”として共感を覚える自分は、車で人を轢き、助け出そうとした自分をも撥ねた女に入院先の病院の女医として出会い、生け贄とすることに決める。彼女をホテルに招きいれた自分は風呂場で斧を振り上げる。

(ネタバレ)
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