
02年12月刊
三ツ鐘署を舞台とした短編集。ちょっと後味のよくないのが多いかも。大きいところを捨ててこだわりを生かすみたいな感じの結末が多い気がする。でも(訳あり)でニヤリとして、(締め出し)でよし行けって思い、最後の(人ごと)でちょっとホッとするかな。
(深追い)
交通課事故係の秋葉和彦はトラックに撥ねられて事故死した会社員の妻高田明子とは小中学校の同級生で想いを寄せていた相手だった。事故現場に落ちていたポケベルには「コンヤハ オサシミ デス」と表示されていた。明子への想いを募らせ返せないままでいたポケベルは夫の死後も夕飯の献立を伝えていた。明子に近づく秋葉はある日家の手帳に「K」と記されているのを見つける。不倫相手の片桐だと思った秋葉は片桐に詰め寄る。
(又聞き)
三枝達哉は小学校2年の時に海で溺れかけたところを助け出そうとして水死した小西和彦の命日に毎年泊りがけで訪れていた。和彦と同じ年になった年の命日に、事故当日撮ったスナップ写真と新聞記事の写真が同じことに気づき新聞に使われるのが早すぎることに疑問に思う。
(引き継ぎ)
「検挙推進月間」に当たり尾花久雄は出所したばかりの野々村を追うことにした。野々村のみに絞り、もし逃したらと案じる萩野の言葉に岩政の名前が浮かぶ。岩政は尾花が父親からその手口を記したノートを引き継いだ泥棒だったが、ひと月前に引退したと葉書を送り付けられていた。ある空き巣の手口が岩政の手口に似ていたことから動き出したと確信する。
(訳あり)
警務係長の滝沢郁夫は近く退官する鈴木巡査長の再就職先が決まらす憔悴していた。そんな時本部の捜査二課長でキャリアの森下雅典に女ができたという情報が入る。本部の船山警務課長の娘が惚れているためうまく処理できれば本部へ戻れるという期待を持ち張り込みを始める。
(締め出し)
少年係の三田村が不良グループ「イエロー」を取調べている最中、パチンコ店の両替所で強盗殺人が起きる。その時メンバーの一人が「ウラベ」と言ったのを聞く。その言葉を元に犯人の正体を掴み刑事課への道が開けると考えるが地味な仕事しか与えられず不満を抱く。途中犯人を目撃しているのではないかと思われる老人を見つけるが意味不明な言葉を発するだけであった。
(仕返し)
公園でホームレスの死体が発見される。それはポンちゃんと呼ばれ、よく署に現れる人物だった。三ツ鐘署次長の的場彰一は息子の慶太が警備課長の浜名の息子からいじめられホームレスへの投石事件を起こしたことが胸をよぎった。調べていくうちに署へ立ち寄った可能性があることに気付く。
(人ごと)
草花博士と呼ばれる会計課の西脇係長は落し物の財布に花屋の会員証が入っていたことからその所有者多々良巌と知り合う。西脇の予想と異なり高級マンションの最上階に住む多々良は三人の娘を拒んでいた。多々良が病死した時セントポーリアの三つの鉢植えが残されていた。
(ネタバレ)
続きを読む »