
01年10月刊
下北沢にある骨董店雅蘭堂を営む越名集治を取り巻く事件を描いた短編集。あまり越名の容貌が描かれていないのでいまひとつイメージできないけどそこそこ目が利く。ただアルバイトの安積の軽さとキャラが作品に噛み合ってない気がする。
「ベトナムジッポー・1967」
かつてベトナムでルポライターをしていた長坂は雅蘭堂で自分が米軍大佐グエンに贈ったはずのジッポーを見つける。長坂はそれが奇襲攻撃の情報漏洩に利用されたとずっと思っていた。
長坂の孫娘安積が雅蘭堂に雇われるきっかけになった事件。
ベトナム戦争時のジッポーがどれだけ流通しているか知らないけどそれが日本に流れ着いて、しかも因縁のある人と巡り合うってのはものすごい偶然だと思うのは私だけでしょうか?
「ジャンクカメラ・キッズ」
越名が狙っていた長火鉢を市で落札した竹島から、火鉢と抱き合わせで落札したジャンクカメラを譲り受ける。保険調査員椎名が雅蘭堂へジャンクカメラについての調査に訪れる。
「古九谷焼幻化」
修治は兄収一から金沢での蔵開きで古九谷の壷の競り落としを依頼される。骨董商犬塚晋作が競りに参加することを調べ上げた修治は、この蔵開きは犬塚が仕組んだ罠だと感じる。競りには美術評論家武藤、犬塚、修治が参加することになった。
「孔雀狂想曲」
鉱物標本を執拗に求める男、大久保が雅蘭堂に現れる。ちょうどその時付き合いのある警察官石森が現れ、難を逃れる。石森が持ってきた盗難品リストの中にK画伯の風景画を見つけ、犯人が怪我をしているという記事から鉱物標本に絵の修復に使われる顔料があったことを思い出す。その一週間後大久保が全裸死体で発見される。
「キリコ・キリコ」
瀬能樹里子は、伯母大倉瑠璃子から形見の品を預かっているという修次からの手紙で雅蘭堂を訪れる。修次から渡された形見の品は江戸切子細工の酒瓶であった。樹里子が12歳の時、祖父の誕生日の宴席で、食事にうがい薬がふりかけられた祖父が激昂する事件があった。しかし薬を入れたと見られる容器は見つからなかった。
「幻・風景」
犬塚晋作から、小説家Fが「三鷹駅前暮色」とは別の三鷹駅を描いた絵を探して欲しいと依頼される。Fの先輩作家の日記には「希望の街」という三鷹駅の朝をFが描いた絵があると記されていた。
最後に犬塚の娘小宮山恵子からキスをされる場面がある。
「根付供養」
指物職人島津鳩作は風見禎一から江戸時代の「英琳」作の根付の贋作を依頼される。「英琳」の蒐集家高沢の軍師としてついた越名と島津は因縁があった。高沢から預かった3百万円の値をつける根付を安積が壊してしまい、越名は三倍返しを申し出る。
「人形転生」
競り市で越名が目をつけたビスク・ドールが美輪真蔵に3百万円で競り落とされた。後日そのビスク・ドールは幻のドール「ミツコ」である事を新聞で知る。三日後、美輪とつるんでいたコレクター宇崎法眼の別荘が焼け法眼の焼死体が発見される。
(ネタバレ)
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