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2007-04-22 14:08 | カテゴリ:江戸川乱歩賞
八月のマルクス’99年刊
第45回江戸川乱歩賞受賞作品

 舞台は芸能界で主人公は元コメディアンだけど軽い感じではなくてむしろハードボイルド系。逆に「八月のマルクス」って言うタイトルからコメディアンが主人公とは思わなかったけど(まぁコメディアンが出てくればマルクスはそれしかなくなるけど)。
 結構事件も起こるし謎解きもある割には淡々と話は進んでく。主人公がそういう性格だからかな?
だから最後に謎が1つの線に繋がった時はもっと感動があるはずなんだろうけど「ふ~ん」って感じだった。

(あらすじ)
 笠原雄二は、五年前事実無根のスキャンダルに巻き込まれ芸能界を去るまでは人気絶頂を誇るコメディアンであった。その事件のため母親が自殺していた。雄二の元に、相方だった立川誠が訪ねて来る。立川は癌に犯されているとのことだった。翌々日、刑事の訪問を受け、自分のスキャンダル記事を書いた記者が殺害されたことを知る。アリバイ確認の為に、かつて所属していた芸能プロダクションへ電話をかけたところ、立川が失踪したことを知らされる。
 立川の行方を探すうちに、昔、バラエティ番組の収録中に起こった事故の真相が浮かび上がって来る。
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【ジャンル】:小説・文学 【テーマ】:ミステリ
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2007-03-09 10:22 | カテゴリ:江戸川乱歩賞
天使のナイフ05年8月刊
第51回江戸川乱歩賞受賞

 構成がみごと。少年犯罪の問題に触れながら話が進んでいく。被害者側、加害者側の思いが絡み合って行く。最初は読みながら犯人探しをするんだけどこれといって目ぼしい人物も出てこない。だけど登場人物や小道具のひとつひとつが最後で生きてくる。なぜ妻を殺した少年達が死んでいくのか、妻の通帳から消えた500万円はどこへ行ったのか、なぜ彼らは所沢から北浦和までやってきたのか。様々な疑問も最後にはひとつに繋がっていく。偶然の産物もあるけどその偶然がなければ全ての事件が発生しなかった。少年事件についても被害者、加害者双方の立場で考えさせられる。
 主人公の桧山もしがないコーヒーショップの雇われ店長でケンカも強いわけではない。犯人探しをするわけではないが、身の回りの事件にどんどん巻き込まれていく。それも自然な感じでよかった。
 
(あらすじ)
 4年前に当時中学三年生の男子生徒3人に妻祥子を殺された桧山貴志は愛娘愛実と二人で暮らしていた。ある日桧山の下へ三枝刑事が訪れる。当時の犯人の一人が大宮公園で殺害されたと言う。彼らは自立支援施設への送致と保護観察処分となり桧山には顔も名前も知らされていなかった。
桧山は彼らが本当に更生したかを知るために彼らの足取りを追う。二人目の犯人が駅のホームから転落し、その事故を桧山は目撃していた。

福井…桧山の店のアルバイト
歩美…     〃
八木…祥子殺害犯人。少年A
沢村…  〃      少年B
丸山…  〃      少年C
貫井哲郎…ノンフィクションライター
早川みゆき…祥子の中学時代の同級生。愛実が通う保育園の保母。
相沢秀樹…少年達の弁護士。

(ネタバレ)
【ジャンル】:小説・文学 【テーマ】:ミステリ
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2006-09-06 22:23 | カテゴリ:江戸川乱歩賞
翳りゆく夏第49回江戸川乱歩賞受賞作

 二十年前の乳児誘拐犯人の娘朝倉比呂子が大手新聞社に採用されることとなった。しかし週刊誌がそれを嗅ぎつけ、記事にされてしまう。それを知った新聞社社主・社長から、二年前のある事件により閑職に追いやられた梶が誘拐事件の洗い直しを命じられる。

 解決済みの事件がひっくり返るとか新たな事実が発見されるなんてないんだろうけど犯人の死亡により捜査が打ち切られたため調査が深い所まで及ばなかったってのはうまい理由だと思った。
 二十年前、誘拐事件の取材をしていた人事厚生局長武藤、梶、武藤の息子で比呂子と同じ大学に通う俊治…。それぞれがそれぞれの思いで事件に関わっていく。二十年前の真実に向かって一気に読み進められた。真実が明かされるまでは(^^;....
 ミステリーの宿命的悲しさなんだろうな。事件の意外な真実には驚くし、うまいと思えるけどそこまでの結論じゃなくてもよかったんじゃないかってのが率直な感想。もう一人からませてその人が、でもよかった気がする。
 同じような特殊な境遇をもつ人間がそんなに身近にいるのもご都合主義的な気が。種類は全然違うけど本質的には一緒っていう境遇でもよかったんじゃないかな(難しいけど)。
 あと社長がやたら身近で大手の新聞社の組織にしては小さく感じた。
 それと一度読んだだけで忘れないって言う焼き鳥屋の娘が「名古屋コーチン」について詳しくないってのも作られたエピソードっぽいな(いや、作り物なんだけど)。
【ジャンル】:小説・文学 【テーマ】:ミステリ
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2006-08-11 23:05 | カテゴリ:江戸川乱歩賞
カタコンベ

 新潟県青海町黒姫山の麓、マイコミ平の鍾乳洞で2人のケイバーがニホンオオカミと思われる動物に襲われ、1人が死亡する。 
 その2ヵ月後、この洞窟の調査が行われる事になり、ケイバーの東馬亮、相田宗治、古生物学の大学院生水無月弥生が参加する。5年前に弥生は、ケイブダイバーだった父をマイコミ平にあるヒスイ峡洞で亡くしていた。その事故の原因となったのが東馬のミスであった。
 弥生の他柳原教授、梶本教授、三島和良、霧崎彰の5人で構成されている第1アタック班が竪穴を降りて行った時、崖崩れが起き5人は洞窟に閉じ込められる。
 ダイナマイトで入り口の岩を取り除こうとするレスキュー隊を尻目に東馬はヒスイ峡洞と地底湖で繋がってると確信し救助に向かう。水が洞窟を埋め尽くすまで5時間しかなかった。

 第50回江戸川乱歩賞受賞だそうでその選評でも手厳しいしあんまり評判もよくないみたいだけど面白かった。冒頭で東馬が救助の際やむを得ず人を傷つけてしまう場面の位置付けが分からなかったり、ヒスイ峡洞から黒姫鍾乳洞へ向かう場面があっさりしすぎてたりもするけど枚数制限のためかななんていい方に考えたりして。
 拳銃を持っているのは誰か、だれが秘密を守ろうとしているのかバラバラの場面が1つに集約されるってのはオーソドックスだけど気持ちいい。「ホワイトアウト」っぽい映像をイメージして読んだけど暗闇の中だと映像化しにくいかな。ちなみに「カタコンベ」とは地下墓地の事。
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2006-06-24 22:13 | カテゴリ:江戸川乱歩賞
江戸川乱歩賞と日本のミステリー 何気なく手に取った本だけど中身が濃い。平成11年(第45回)までの江戸川乱歩賞受賞作について論評してるんだけど厳しいね。そういう流れがあるのかって参考になるけど。
 特に手厳しかったのは「天女の末裔」(鳥井加南子S59年受賞作)。説明を地の文でしないで会話の中ででしてるとか、殺人罪で服役した女性が別名で成功している設定とかがやり玉に上がってる。
 乱歩賞を受賞してるんだったら佐野洋も「推理日記」で書いてるかなって思ったら「Ⅳ」に出てた。好感を持って読んだらしいけどやはり別人になりすまして生きている設定にかなり苦言を呈していた。現実には難しくそれだけでトリックになりうると。関口氏はそれがミステリーと女性向けロマンス小説の違いって言ってる。佐野洋も別の作品で会話中での説明が多すぎるって批判してたのがあったからこれもそういう批判があってもよかったはずだけど。何にしてもプロとしてはそういうとこに目が行っちゃうんだろうな。
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