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2007-10-06 22:53 | カテゴリ:横山 秀夫 
影踏み'03年11月刊
 15年前、真壁修一は法学部で学ぶ学生だったが、双子の弟啓二が盗みに走ったことを悲観した母親が家に火を放って無理心中を図ったため、弟と両親を亡くしていた。その後定職にも就かずノビ師(寝静まった民家から盗みを働く)として生きていた。正義漢ぶらないんだけど腑に落ちないことをノビの技を使って調べ真相を解明する。修一と啓二がかつて奪い合った久子という女性がいて、今は保母をしながら修一を待っている。
 修一の頭の中には啓二が住みついており時折修一に話しかける。生前からの啓二の才能は生きていて、目に入れた数字(カレンダー、紙幣番号etc)は瞬時に記憶できる。二重人格ってことじゃなくて心の中に啓二が残っていてかつ啓二が側にいるって感じなんだろうな。突き詰めれば説明がつかないのかもしれないけどそういう設定ってことでいいんじゃないかな。
 修一をもう少しスマートに描いてもよかったのかなって気がする。移動手段が自転車ってのが野暮ったく感じたのかなぁ。久子がそこまで惚れるカッコよさもあってよかった気がする。
 表題の「影踏み」は自分と啓二の関係を象徴している。同じことを考え同じものを望む二人を。最後に15年前の事件の真相が明らかにされる。

(消息)
 刑務所を出所した修一は自分が捕まる原因となった稲村葉子を調べ始める。入った部屋の状況から葉子は家に火を着けようとしていたのではないかという疑問を持っていた。修一が捕まった後、葉子の夫が保証人となった人間が借金を残して行方をくらまし自分もリストラに合い借金の形に家財道具が競売にかけられた後離婚していた。調べている内にその競売にはヤクザが絡んでいることが分かる。保険金殺人をしようとしながら、その後ヤクザもついていたのに止めたことに疑問を持つ。子供の頃修一の同級生だった刑事の吉川を訪ねる。
(刻印)
 刑事の吉川が溺死体で発見される。修一も容疑者とされるが事情聴取の中で稲村葉子も容疑者とされていたがスナックの客がアリバイを証明したことを聞く。その客が刑事にとって「神様みたいなヒゲ(議員や役人)」との言葉から判事ではないかとあたりをつける。競売師の大室を訪ね葉子の競売の執行官が轟木と聞き接点を見出す。
(抱擁)
 久子の幼なじみの三沢玲子が修一を探し出し、久子が勤める保育園の事務室から積立金が盗まれ、久子が疑われピンチだと告げる。近くにいたとされる高齢の泥棒清太郎を問い詰めると自分がやったと自白するが証拠がなく見栄を張っただけと考える。
(業火)
 同業の三崎から盗人狩りが行われていると聞く修一。盗んではならないものを盗んだやつがいると感じる中、修一も襲われる。襲われた理由、盗人狩りを仕掛けた「ジゴロ」の正体を知るために動く修一。盗人狩りの原因と思われる重原昌男の自宅を探るうちに通りすがりの老婆から状況を聞き出す。修一を襲ったヤクザが自分を見逃したことから自分の容疑がはれたと思う。
(使徒)
 刑務所の中で同業者の娘で孤児の恵美のためにサンタクロースの役を頼まれた修一はクリスマスイブに恵美が預けられている家に忍び込みプレゼントを置いてくる。家から出ると警察官と思われる人影を見つける。
(遺言)
 盗人狩りで襲われた黛がうわごとに修一の名を呼ぶと聞き見舞いに行くが亡くなってしまう。入院中うわごとに業界用語の他、「父ちゃん、行っちゃやだよ、父ちゃん」と言ったことを聞く。修一は黛の泥棒日記から父親の手がかりを探す。
(行方)
 久子が見合いした相手からストーカー行為を受けていると修一に相談に来る。相手は一卵性双生児の弟久能次朗で、久子は一度デートの時兄新一郎が来たことによって交際を断ったため、新一郎から次朗との結婚を脅迫されていた。修一は新一郎を追う。

(ネタバレ)
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【ジャンル】:小説・文学 【テーマ】:ミステリ
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2007-07-11 21:40 | カテゴリ:横山 秀夫 
深追い02年12月刊

 三ツ鐘署を舞台とした短編集。ちょっと後味のよくないのが多いかも。大きいところを捨ててこだわりを生かすみたいな感じの結末が多い気がする。でも(訳あり)でニヤリとして、(締め出し)でよし行けって思い、最後の(人ごと)でちょっとホッとするかな。
 
(深追い)
 交通課事故係の秋葉和彦はトラックに撥ねられて事故死した会社員の妻高田明子とは小中学校の同級生で想いを寄せていた相手だった。事故現場に落ちていたポケベルには「コンヤハ オサシミ デス」と表示されていた。明子への想いを募らせ返せないままでいたポケベルは夫の死後も夕飯の献立を伝えていた。明子に近づく秋葉はある日家の手帳に「K」と記されているのを見つける。不倫相手の片桐だと思った秋葉は片桐に詰め寄る。

(又聞き)
 三枝達哉は小学校2年の時に海で溺れかけたところを助け出そうとして水死した小西和彦の命日に毎年泊りがけで訪れていた。和彦と同じ年になった年の命日に、事故当日撮ったスナップ写真と新聞記事の写真が同じことに気づき新聞に使われるのが早すぎることに疑問に思う。

(引き継ぎ)
 「検挙推進月間」に当たり尾花久雄は出所したばかりの野々村を追うことにした。野々村のみに絞り、もし逃したらと案じる萩野の言葉に岩政の名前が浮かぶ。岩政は尾花が父親からその手口を記したノートを引き継いだ泥棒だったが、ひと月前に引退したと葉書を送り付けられていた。ある空き巣の手口が岩政の手口に似ていたことから動き出したと確信する。

(訳あり)
 警務係長の滝沢郁夫は近く退官する鈴木巡査長の再就職先が決まらす憔悴していた。そんな時本部の捜査二課長でキャリアの森下雅典に女ができたという情報が入る。本部の船山警務課長の娘が惚れているためうまく処理できれば本部へ戻れるという期待を持ち張り込みを始める。

(締め出し)
 少年係の三田村が不良グループ「イエロー」を取調べている最中、パチンコ店の両替所で強盗殺人が起きる。その時メンバーの一人が「ウラベ」と言ったのを聞く。その言葉を元に犯人の正体を掴み刑事課への道が開けると考えるが地味な仕事しか与えられず不満を抱く。途中犯人を目撃しているのではないかと思われる老人を見つけるが意味不明な言葉を発するだけであった。

(仕返し)
 公園でホームレスの死体が発見される。それはポンちゃんと呼ばれ、よく署に現れる人物だった。三ツ鐘署次長の的場彰一は息子の慶太が警備課長の浜名の息子からいじめられホームレスへの投石事件を起こしたことが胸をよぎった。調べていくうちに署へ立ち寄った可能性があることに気付く。

(人ごと)
 草花博士と呼ばれる会計課の西脇係長は落し物の財布に花屋の会員証が入っていたことからその所有者多々良巌と知り合う。西脇の予想と異なり高級マンションの最上階に住む多々良は三人の娘を拒んでいた。多々良が病死した時セントポーリアの三つの鉢植えが残されていた。

(ネタバレ)
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2007-03-17 22:32 | カテゴリ:横山 秀夫 
動機00年10月刊

 「陰の季節」に続く、横山秀夫の第二作品集。
 表題作「動機」が日本推理作家協会賞受賞作だったり評価は高いみたいだけど個人的には「ネタ元」かな。話の展開がうまい。何の事件なのかが明かされないうちに新聞編集の内幕、女性記者水島の内面の葛藤が描かれ後半に主題が出てくる。話の軸が次第に移りながら全体が見えてくる書き方が気持ちよかった(でもオチは弱いかも)。
 少し文章が固いけど感じとして佐野洋の作風に似てるかも。あの人も確か記者上がりだったし。

(動機)
 警察署内から30冊の警察手帳が紛失した。県警本部警務課調査官貝瀬が、紛失事故を防ぐ為に一括管理を提言したのだったのだがそれがアダとなり、一転窮地に追いやられる。この提言に反感を持つ者の嫌がらせか、外部の犯行か、それとも・・・。
 警察署で外部犯行の可能性なんてあるのかな?途中でなんとなく動機(伏線)は分かる。昔新潟であったポット毒物混入事件を思い出した。だから貝瀬が動機にたどり着いたのはちょっとストレートすぎる気もするけど。ただ貝瀬が犯人・動機を見越して取った行動は秀逸。犯人検挙ではなく問題解決の手法として一歩身を引いている。自分もそうなれればいいけど、やっぱり「こいつだ」って言っちゃうんだろうな。大人になんなきゃ。
(逆転の夏)
 殺人を犯し12年刑務所にいた山本。出所し、自分の過去を知られることを恐れつつ葬儀会社で働く彼の元に、ある日 「人を殺してくれないか」という電話がかかってくる。 相手は山本なら気持ちを分かってくれるはずという。山本の殺人は声をかけてきた女子高生に強請られた果ての衝動的犯行であった。別れた妻子への仕送りのため心動かされる。
 自分の過去を漏らす社長の野崎、死んだ父とシベリアに抑留されていたという保護司及川、事件以来会っていない妻の静江。それぞれがそれぞれの思いを抱いて生きている。
(ネタ元)
 地元紙の女性記者である水島は新聞の部数争いに勝つため特ダネを求められる。「女性」と言う事が時に足かせになる水島には、誰にも知られていない「ネタ元」がいた。
(密室の人)
 公判中に居眠りをした裁判官。しかも寝言で妻の名前を呼んだという。新聞がそのことを記事にするといい楠木所長から強くなじられる。妻美和とは前妻康江の茶会の席で出会い康江の死後入籍していた。
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2007-01-14 00:39 | カテゴリ:横山 秀夫 
陰の季節98年10月刊
「半落ち」の横山秀夫の第一作品集。表題作「陰の季節」が第5回松本清張賞受賞作。
 ここでは警察官が警察官として事件を調べるのではなく、人事担当や監察官が職務を遂行した(する)上で事件(事実)が明るみに出る。どれも主人公が追い立てられている。異動発表まで、犯罪に巻き込まれていないか、本会議までと時間が限られている中で主人公が奔走する。
 人事担当の二渡が4編とも出てくる。表題作こそ主人公なんで汗かいてるけど後は影に立って各主人公に影響を与えてる感じ。「エース」と言われながらヒーローではない。
 
(陰の季節)
  完成した人事異動名簿の変更作業をしていたD県警本部警務課人事担当の二渡真治は大黒警務部長に呼ばれ、OBの尾坂部が天下り先を辞めないと言い出したためその真意を探るように命じられる。尾坂部が組織に背を向け警察人でなくなることはありえないと感じた二渡は尾坂部に当たるが「心配するな」と突き放される。
 そんな偶然あるかなとは思ったけど、もしその偶然がなければこの話自体成り立たないのだから、あった上での話なんだって納得。
(地の声)
 D県警本部監察課に、Q署の生活安全課長がパブのママとできているという投書が舞い込む。監察官新堂隆義は曾根生活安全課長の内偵を始める。
(黒い線)
 平野瑞穂巡査の似顔絵によりひったくり犯人が捕まった翌日、無断欠勤する。D県警本部警務課七尾友子係長は犯罪に巻き込まれた可能性を否定しながら足取りを追う。部屋で微かに匂う香水に男の影を感じた友子に平野巡査の車が発見されたと連絡が入る。
(鞄)
 D県警本部秘書課課長補佐柘植正樹は県議会本会議で県警への質問をする県議の質問内容を探る内に鵜飼県議が爆弾発言をぶつけるという情報を聞きつける。質問内容を探るが一向に見えてこず、あせる柘植は鵜飼の女のマンションへ鵜飼を訪ねる。10分だけと言う約束で面談を許されるが、ふと覗いた鞄の中にも質問に関するものは出てこないまま本会議を迎える。
(ネタバレ)
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